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“着”の用法について

“着”の誤用

例文

    1. 孩子们快乐着唱歌。
    2. 妈妈高兴着说:“这孩子真懂事”。
    1. 孩子们快乐地唱着歌。
    2. 妈妈高兴地说:“这孩子真懂事”。

分析:中国語では必ずしもすべての形容詞の後ろに“着”をつけることができる訳ではない。例文中の“快乐”、“高兴”は形容詞だが、その後ろに“着”をつけて述語にすることはできないので“地”を使わなければならない。また、例文1で“唱”の後ろには“着”をつけなければならない。この語句は描写句なので、今まさに発生している動作・行為を表すからである。

日本の学生がよくこのような間違いを犯すのは、類推の結果である。中国語では、色を表す“红”や“黑”などの形容詞の後に“着”を付けて付随状態を表すことができる。例えば、

  • 她害羞的红着脸说:“明天,我们一起去看电影吧”。
  • 老师黑着脸走进教室,说:“谁打碎了我的玻璃杯”。

似たような国でも状況が異なる場合には文法も違ってくる。中国語を学習する際にはよく注意しなければいけない。

“着”の抜け

例文

    1. 朋友担心的地看我说:“没事吧?”
    2. 门前的牌子上写“禁止入内”。
    1. 朋友担心的地看着我说:“没事吧?”
    2. 门前的牌子上写着“禁止入内”。

分析:上記の2つの例文はどちらも付随状態を表し、後ろに“着”をつけなければならない。日本の学生は日本語の影響を受ける。例文を日本語で表すと、

  1. 友達は気遣うように私を見て言いました。「大丈夫?」
  2. 看板の上には「立ち入り禁止」と書いていた。

中国語の“着”は日本語の「ている」に相当する。従って日本語に「ている」がある場合には、“着”を付けた語句に翻訳する。

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形容詞の後の“着”の要否条件を下記に示す。

  1. 色を表す形容詞の中には“着”をつけて付随状態を表すものがある。どれがそうなのかを覚えておけば今後学習する中で“着”の要否が簡単に見分けられるようになる。
    • 我的考试成绩不好,爸爸黑着脸对我说:“明天只能在家学习,不许出去玩!”
    • 听了他说的那些话,她红着脸跑了出去。
  2. 持続動詞には“着”をつけることができる。
    • 你看着我的眼睛说话,不许说谎!
    • 答案都在黑板上写着呢。
    • 孩子们唱着歌跑过来了。
    • 保护区里保护着一百多种动物。
  3. “上,下,来,去”などの方向動詞の後ろには“着”をつけることはできない。
  4. “在,是,属于,拥有”などの関係動詞の後ろには“着”をつけることはできない。

“着”をつける語句を否定するときの間違い

例文

    1. 明天去爬上不带着你弟弟。
    2. 桌子上不放着电脑。
    1. 明天爬上不要带着你弟弟。
    2. 桌子上没(有)放着电脑。

分析:“動詞+'着'”の否定は“没有”、“别”、“不要”などを用いて否定する。“不”を使うことはできない。例文2は存在文であり、“不”ではなく、“没(有)”を用い、同時に“着”を削除する。

中国語の動詞と形容詞は普通は“不”を用いて否定文にすることができるため、日本の学生は“着”を否定するときにも例文のような間違いを犯す。

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  1. “着”を用いた文の否定文を作るときには、普通は動詞の前に“没(有)”を付け加えるとともに“着”を削除する。目的語の前に数量詞があるときには数量詞も削除する。例えば、
    • 外面下着雨。 → 外边没(有)下雨。
    • 孩子背着一个书包。 → 孩子没(有)背书包。
    • 桌子上放着一台电脑。 → 桌子上没(有)电脑。
  2. 命令文は“别”、“不要”を使って直接否定する。例えば、
    • 站着! → 别站着。 → 不要站着。
    • 拿着! → 别拿着。 → 不要拿着。
    • 在这儿躺着! → 别在这儿躺着! → 不要在这儿躺着!
  3. 疑問文や仮定文の条件節では“不”を使って直接否定する。例えば、
    • 你去逛街不带着钱包? (理解しがたいことを表している疑問文。)
    • 你不看着他?万一他喜欢上别人怎么办。
    • 不躺着就不舒服。他是不是太懒了。
    • 那天如果你们不等着我,你们就不会赶不上车,都是因为我,对不起。

誤用した“着”を“在”で置き換え

例文

    1. A.同学们在干什么呢?
      B.同学们写着作业。
    2. A.老师在干什么?
      B.老师给同学们上着课。
    1. A.同学们在干什么呢?
      B.同学们写在作业。
    2. A.老师在干什么?
      B.老师在给同学们上课。

分析:“動詞+'着'...”は普通質問に答えるときには用いない。例文中、“同学们写着作业”、“老师上着课”はもし独立した文であれば問題ない文だが、質問の答えとして用いることはできない。2つの例文にある“着”は削除して、動詞“写”と“上”の前に“在”を追加しなければならない。

日本の学生がこのような間違いを犯すのは、“在”と“着”のどちらもが日本語の「ている」を表すからである。

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  1. “着”は持続を表すのと同時に動作行為の方式や付随する一種の状態を表す。一方で、“在”は進行を表す。例えば、
    1. 老师站着讲课,我们坐着听课。
    2. 他一直站着,看着前方,一句话也不说。
    3. A:你干什么呢?
      B:我在看电视。
  2. “着”を命令文で用いることはできるが、“在”はできない。例えば、
    1. 你看着行李,我去买票!
    2. 听着!明天谁都不许迟到。
  3. “動詞+'着'”の重ね型を使うことはできるが、“在”はできない。例えば、
    1. 她说着说着就大声哭了起来。我们都不知道怎么安慰她。
    2. 孩子吃着吃着就睡着了。不哭不闹的。
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